Google Cloud Platform (GCP) でWindows 環境構築とリモート デスクトップ(RDP = Remote Desktop Protocol)する方法をご紹介します。
前提条件
Windows Server ブートディスクはAlways Free プログラム 範囲外となるため、Always Free プログラム 範囲内のUSA リージョン f1-micro で作成しても無料になりませんが、最初に取得できる300 USD分無料トライアルで消化することができます。また、アカウントの課金を有効にする必要があります。
※ 他の対象となるGCP プロダクト/ サービスは無料トライアルクレジットおよびAlways Free プログラムを適用できます。
今回は、Adobe Premiere Pro が推奨するスペックに合わせたVM インスタンス設定にします。
GCE インスタンスの作成
Google Compute Engineで VM インスタンスを次の手順で作成します。
- GCP コンソールから「Compute Engine」の 「VM インスタンス」をクリックします。
- 「作成」をクリックします。

VM インスタンスの設定
インスタンス名称
インスタンスの名前は適当な名称にします。
※ 名前は後で変更することができません。また、すでに使用している名前も使用することができません。

リージョン
VM インスタンスのリージョンとゾーンを選択します。
※ リージョンおよびゾーンは後で変更することができません。

各リージョンのレイテンシーは、非公式 Measure your latency to GCP regions で測定することができます。
※2020年1 月時点では、東京と大阪にE2 シリーズが適用されていませんでした。
マシンの構成
VM インスタンスのマシンを選択します。
ここでは、Adobe Premiere Pro が推奨する次のスペックに合わせるために「E2:e2-standard-2」を選択しています。
Adobe Premiere Pro 推奨スペック
・OS:Windows 10 64bit
・CPU:Intel 第7世代以降 または同等のAMD
・メモリー:16 GB 以上
・GPU:4 GBのVRAM

ブートディスク
「ブートディスク」を選択し、オペレーティング システムを「Windows Server」にし、バージョンを好きなモデルを選択します。
※ Windows Server のブートディスク サイズは、最低50 GB以上になります。
※ ブートディスク サイズは後から追加することもできます。

Server と Server Core の違いは、「Windows Server の Server Core インストールオプションとは」をご覧ください。
プリエンプティブ
※ プリエンプティブ を利用すると低価格でVM インスタンスを使用するとができますが、「最大24時間」「強制終了あり」などの制限があります。
プリエンプティブ をONにする場合は、
「管理、セキュリティ、ディスク、ネットワーク、単一テナンシー」を選択し、可用性ポリシー のプリエンプティブを「オン」に変更します。

各項目を設定し、「作成」ボタンをクリックします。
IP の固定化
作成したVM インスタンスのIP アドレスはデフォルトで動的になっています。
このままではVM インスタンスを再起動するたびにIP アドレスが変更されてしまうため、IP アドレスを静的にします。
GCP コンソールに戻り、「≡」メニューをクリックして、「VPC ネットワーク」の「外部 IP アドレス」を選択します。

タイプをエフェメラルから「静的」に変更します。

適当なIP アドレス名称を入力し、「予約」をクリックします。
※ IP アドレスの名前に使用できる文字は、小文字、数字、ハイフンのみです。

作成したVM インスタンスの外部 IP アドレスを静的に変更するができました。
VM インスタンスに接続
VM インスタンスに接続し、Windows を起動するためのユーザー名/パスワードを設定します。
Windows パスワードを設定
GCP コンソールから「Compute Engine」の 「VM インスタンス」に移動し、作成したインスタンスをクリックします。

続けてリモート アクセスの「Windows パスワードを設定」をクリックします。

Windows ユーザーを作成するために、ユーザー名とパスワードを設定します。


リモート デスクトップ(RDP)でアクセス
続けて「RDP」をクリックします。

次のポップアップが表示されます。
Windows Server に RDP でアクセスするためにはChrome RDP 拡張機能のChrome RDP for Google Cloud Platform で直接 RDP でインスタンスへ接続を行います。
Chrome ウェブストア からその拡張機能をダウンロードします。


拡張機能をダウンロード後に再度「RDP」をクリックします。

設定したユーザー名 とパスワードを入力します。

続けて「Continue」をクリックし、VM インスタンスに接続します。

接続完了すると、Windows 画面が表示されます。
デフォルトの使用言語はEnglish (United States)になりますが、言語設定から日本語に変更することができます。

以上の設定で GCP にWindows VM インスタンス構築 & RDPでの接続が完了となります。
Windows インスタンスの月額利用金額
Windows のVM インスタンスを1日 8時間 で1ヶ月(30日)利用したらいくらになるのか?を算出してみます。(継続利用割引 あり)
Google Cloud Pricing Calculator で算出した結果、
1ヶ月の利用料金は、135.11 USD でした。
※ この概算内容は、「見積もり」から見れます。
各価格は次になります。
Windows ブートディスク
ブートディスクのWindows Serverは、どのDatacenter シリーズを選んでも使用料は、$67.16/月 です。
VM インスタンス
次のVM インスタンス 構成にした際は、62.75 USD / 月 です。
- リージョン:東京(asia-northeast1)
- マシンタイプ:e2-standard-2(2vCPU、8 GB)
- ゾーンSSD 永続ディスク:50 GB
- プリエンプティブ:オフ
プリエンプティブを「オン」にすると18.83 USD / 月 になり、約-70% 料金を抑えることができます。
永続ディスク
永続ディスクは「HDD」「SDD」の2つのタイプがあります。
- ゾーンSSD 永続ディスク:50 GB:11.05 USD / 月
- ゾーンHDD 永続ディスク:50 GB:2.60 USD / 月
※Windows Server のディスクサイズは、最低 50 GB からです。
これでGoogle Compute Engine 上でのWindows 環境を構築することができました。
次の記事で、構築したWindow 環境に以下の初期設定を行います。
- ダウンロードが行えるように「Internet Explorer (IE)の設定変更」。
- ストレスをなくすために「Windows 言語を日本語 変更」。
「【RDB】GCP × Windows 仮想環境の初期設定」をご覧ください。
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